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「When The Drummers
Were Women」
レイン・レッドモンド著
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古代では女性がドラマーであった
そして今、エンパワーメントのためのドラミングへ・・・

フレームドラムの歴史、そして女性との関わりについては、
レイン・レッドモンド著「When The Drummers Were Women」に詳しい。
まだ日本では翻訳されていないが、
DRUMAGIK主宰で翻訳家でもある佐々木薫さんによるあらすじで少しだけ紹介したい。
<「When The Drummers Were
Women」のあらすじ>
古代のヨーロッパ・中東地域では、ユダヤ教・キリスト教が出現するまで長い間、
女神信仰が行われていた。
新しい生命を生み出す力は、自然のリズムを思わせる女性の体のサイクル、
人間と共に大地に生きる動物たちの不思議な力や太陽と月、
さらには天界・地上界・地下世界を結ぶ世界樹と結び付けられ、
僧侶もまた女性が中心であった。
狩猟採取の時代から農耕・定住の時代に移り変わったとき、
穀物を育て、それを保存するために陶器を作り、パンを焼くのは女性の仕事となった。
パンを作るための「ふるい」はフレームドラムの原形とされているが、
そうしたつながりを通して、女神信仰における女性僧侶たちは
儀式にフレームドラムを利用するようになり、
それが儀式に欠かせない要素となっていった。
最初のフレームドラムはチャタル・ヒュユクで作られたと言われるが、
当時作られた寺院の壁画には、豹の毛皮を身にまとい、
牛の角(女性のシンボル)をした楽器、ガラガラ、
フレームドラムを鳴らしながらダンスを踊る女性たちが描かれている。
女神信仰と女性僧侶によるドラムの使用はチャタル・ヒュユクに限らず、
エジプト、チグリス・ユーフラテス、インド各地でも同様であった。
女神イナーナがのちに冠を作るために創造の木、Huluppuを植えたところ、
そこにはヘビや凶暴な鳥が住みついたため、戦いの王ギルガメッシュに退治を依頼した。
退治のお礼に太鼓とスティックを作って与えたところ、ギルガメッシュはそれを戦いに使うようになった。
それ以来シュメール文明では、太鼓は暴力的な「嵐の神」信仰に使われたが、
同様の神話はインド、バビロン、ヘブライ、ギリシャなどにも残されている。
さらに、ユダヤ・キリスト教がおこって世界は一神教的になり、
キリスト教は当初、いかなる音楽も禁じていた。
その後、西洋・中東世界において女神と女性は約2000年に渡ってその力を奪われてきたが、
ここにきてその力を取り戻そうとしている。
科学が総合的な分野に目を向けつつあることと、
女性たちの意識の変化がその理由と言えよう.。
<佐々木薫さんによるこの本の紹介>
アクエリアス時代の到来が言われるようになって数十年が経ち、さまざまな角度から研究がなされてきた。
その中で、自らがフレームドラム演奏者であるレイン・レッドモンドの書いた本書は、
音楽と歴史を題材にして現代の私たちのあり方を問う新しい分野を開拓したと言えます。
本書は古代ヨーロッパにおける女神信仰及び女性僧侶とフレームドラムの使用を説明していますが、
それはかならずしもジェンダーを強調するウーマンリブ的なものではありません。
むしろ、ジェンダーに関わらず男女双方の中に存在する男性性・女性性の調和のとれたバランスが、
21世紀の社会に不可欠であることを提示してくれます。
哲学者の梅原猛氏は、「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった一神教的価値観が、
世界が壁に突き当たる理由となっている。
非西洋社会に見られるアミニズム的宗教観にふたたび帰ることが、
地球の未来にとって必要不可欠になってくるだろう」(テレビインタビュー)と語りました。
これを、西洋的価値観を否定する論理につなげるのは容易いことですが、
その西洋にも、かつてはアミニズム的・女神的宗教が主流となっていた事実を知ることは、
現在の世界の様子の理解に役立つでしょう。
ドラムのさまざまな利用法を解説した心理療法士ロバート・L・フリードマンの著書
『ドラミング〜リズムで癒す心とからだ』佐々木薫訳
音楽之友社刊)にも書かれている通り、
欧米では現在、治療や企業のコミュニケーション及びグループ能力開発・リーダーシップトレーニング等
を目的として、さかんにドラムが利用されるようになってきました。
最近では現代社会の行き詰まりを打開するために、
さまざまな文化や古代の智恵に学ぶという傾向がありますが、
こうした活動もその表れといえましょう。
また、アフリカのジェンベやオーストラリアのディジュリドゥーといった
さまざまな文化の伝統楽器が近年人気を呼び、
さらには「ドラムサークル」という文化を越えた打楽器による参加型即興演奏が
世界中で盛んに行なわれるようになりましたが、
これも上のような傾向の無意識の表れだと言えるかもしれません。
これまでこうした伝統楽器に関する情報は少ない上、
音楽学・民族音楽的な学術的研究に限られてきましたが、
本書は音楽の意味合いと現代社会との関係性を、
誰にでもわかりやすい形で提供してくれるユニークな書です。
<西洋古代史概要>
文化的段階
旧石器時代 500,000-10,000 BC
中石器時代 10,000-8,000 BC
新石器時代 8,000-4,000 BC
100,000 BC
ネアンデルタール人が死者と共に花を埋葬する。
40,000-35,000 BC
ホモ・サピエンス・サピエンスの出現。
33,000-27,000 BC
オーリャニック文化。最初の芸術が現れる。貝殻や穴をあけた歯の身体装飾品や赤色顔料が墓に使用される。最初の外陰部装飾。体鳴楽器(スクレーパー、ガラガラ)、骨製フルート、ブルロアラーが作られる。
27,000-19,000 BC
グラヴェット文化。彩色、レリーフ、彫刻による絵画。ウィレンドルフ、ローセル、コステンキの女神。
20,000-15,000 BC
ソリュートレ文化。芸術的技法で動物が描かれる。火打ち道具作り全盛期。縫い針が作られる。
15,000-10,000 BC
マドレーヌ文化。洞穴の聖域における壁画全盛期。ラスコーでシャーマニズムが行われる。
10,000-8,000 BC
中石器時代。大きな気候変動。芸術形態の衰退。
8,000-4,000 BC
新石器時代。チャタル・ヒュユク。5,600 BCにフレームドラムが作られる。
3,500 BC
皮のドラムヘッドを張った陶製ドラムが作られる。
4,000-1,000 BC
メソポタミア、ナイル、インダス渓谷文明の勃興。
2,380に名前が明らかになっている最初のドラマー(Lipushiau)
(以上、佐々木さんの許可を得て掲載しています。無断転載厳禁)
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